市立尼崎産業高の校門に立つ阪神タイガースの元エース故・村山実さんの銅像が、同校と市立尼崎東高との統合で移転せざるを得なくなり、関係者を悩ませている。同校は統合で校名や場所も変わるが、銅像を立てたOBらは「この場所でなければ意味がない」と譲らない。新設予定地から基準値を上回る鉛や砒素が検出されたため、統合は1年先延ばしされ平成23年(2011)春になった。同校は「猶予期間はあと2年。早く置き場を決めなければ」と頭を抱えている。
村山さんは同校の前身、住友工業高のOB。昭和34年(1959)に阪神に入団、通算222勝を挙げた。同校OBらが「偉大な先輩を学校の誇りにしてもらおう」と平成16年(2004)の七回忌に合わせ校門近くに建立した。「ザトペック投法」と呼ばれた投球フォームを再現した銅像は、市民にも親しまれている。
統合後の跡地利用は決まっておらず、OBらは「銅像は村山さんがプレーしたこの場所に残したい」とするが、学校側は「OBの思いは尊重したいが、学校がなくなるので、銅像も何処かに移したい」と意見が合わない。
現役の野球部員らにとって村山さんは、「伝説の大スター」。山住豪志主将は「銅像に見守られているという心強さは大きい。尼崎産業高の名前が消える前に甲子園に行き、村山先輩を超えたい」と話していた。
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※(参照)→○Mr.タイガース・村山実氏の銅像の落ち着き先が宙ぶらりん!